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京都の気候とシロアリ

京都と言えば、世界遺産にも認定される金閣寺に銀閣寺、清水寺と歴史のある建造物が数多い。京都の渡月橋も趣き深く風情を感じる京都を代表する観光名所だ。京都の宇治茶も格別な味わいだ。京都の気候は暑くて寒い。総合的に考えて、歴史的建造物があり、暖かい気候の京都には注意しないといけないシロアリも数多く生息しているようだ。 文化財害虫の中でもシロアリは、木材を餌とし建造物の被害が甚大となるため、シロアリを早期発見し、駆除することが大切だ。

京都のシロアリ対策

シロアリ駆除の工法としては、シロアリ駆除剤を散布し、シロアリを死滅させる液剤散布工法が主流だが、木材へのドリル穿孔による液剤の注入処理などによって、周囲の汚損や大切な文化財建造物を損傷してしまうケースがあり、文化財には適切なシロアリ駆除工法とはいえない。以前、比叡山延暦寺の別院禅寺で、シロアリが発生したことがあった。山に囲まれている為、羽ありが飛んできやすいのだろう。対策方法として、ベイト工法（セントリコン）を設置した。その後羽アリが飛び立つことがなくなったようだ。いままでの防除工法は、防蟻剤を床下に散布するものだった。シロアリが家屋への侵入出来ないようバリアをつくる工法だ。防蟻剤のバリアとシロアリの巣に隙間ができると再びシロアリが侵入する危険性があった。そんな従来工法の問題点を解決したのが、ベイト工法「セントリコン」｡

京都発のベイト工法

この防除方法はシロアリの習性を利用し、薬剤を散布せず巣ごとシロアリを退治する事が可能だ。新たな餌場を見つけるとシロアリはフェロモンを出し、仲間を誘導する。セントリコンはこの習性を利用したもの。まず、屋根裏や床下、庭の樹木等シロアリの活動範囲を調査し、シロアリによる被害状況を把握することだ。その後セントリコンステーションを設置。シロアリが好むような薬剤を使用し、次々に薬剤を摂取させる。薬剤がシロアリの巣全体に行きわたり、シロアリを巣ごと撃退させる防除法だ。その後も被害を未然に防ぎ、再発生の防止になる。微量の薬剤の使用で撃退が可能で、環境に優しい安全なシロアリ防除方法だ。 ベイト工法で使用する薬剤の有効成分は、ヘキサフルムロン（シロアリの脱皮を阻害する成分）。脱皮する生物（昆虫）にだけ効果があるので、人やペットにも安心して使用できる。周辺環境にも悪影響がないので、安全性においても高い評価がある薬剤だ。壁や床などを壊さずに施工できるので、家屋だけでなく、京都のような重要文化財のような大切な建材がある地域では、常にシロアリ被害防止対策を心がける事が必要となるだろう。いつまでも生活文化を伝える伝統的な木造の建築物が害虫によって侵されることなく、そのままの状態で訪れる者を楽しませて欲しい。